今週(4月13日〜17日)の金融市場は、米国・イランの停戦交渉進展への期待を背景に全体的にリスクオンの展開となりました。日経平均株価は16日に59,518円と史上最高値を更新し、米S&P500も7,000ポイントの大台を突破。一方、週末にはホルムズ海峡一部開放の報道でWTI原油が10%超急落するなど、エネルギー市場に大きな変動がありました。
日銀は4月利上げを見送る可能性が高まり、円安基調が継続。春闘では3年連続5%超の高水準賃上げが維持され、実質賃金プラス定着への道筋が着実に進んでいます。
今週も7つの主要トピックをわかりやすく解説します。週末の振り返りと来週の相場展望にご活用ください。
① 日経平均が史上最高値を更新——米・イラン停戦期待でリスクオン継続
今週の日経平均株価は週前半の売りを乗り越え、4月16日(木)に前日比1,384円高の59,518円を記録し、2月27日の最高値(58,850円)を上回り史上最高値を更新しました。米国とイランの停戦期待を背景に半導体・AI関連株を中心に買いが集まりました。4月17日(金)は利益確定売りで1,042円安の58,475円と4日ぶりに反落しましたが、4月18日の先物夜間取引では59,690円前後まで回復する場面も見られ底堅さを維持しています。
📌 わかりやすく言うと?
日本の株価が過去最高の水準に達しました。中東の戦争が終わりそうという期待が、投資家の「買いたい」気持ちを大きく後押ししています。ただし一日一日の動きは激しく、ニュース次第で大きく上下する不安定な状態が続いています。
② 米S&P500が7,000ポイントの大台突破——ナスダックも最高値圏
米国株式市場でも今週はリスクオンの動きが顕著でした。S&P500は4月15日(水)に7,000ポイントを突破し史上最高値を更新、4月16日は7,041ポイントで取引を終えました。4月17日(NY時間)にはホルムズ海峡部分開放の報道でダウ平均+1.79%、S&P500+1.20%、ナスダック+1.52%と大幅上昇。ナスダック100指数は2019年以来の長期連続高を記録しています。決算シーズン本格化を前に、好調な企業業績への期待も相場を支えています。
📌 わかりやすく言うと?
米国の代表的な株価指数が過去最高値を塗り替えました。AIや半導体などのハイテク企業が株式市場全体を引っ張っており、戦争終結への期待も加わって「今が買い時」と感じる投資家が増えています。
③ 為替(USD/JPY):円安基調続く——日銀4月利上げ観測が大幅後退
ドル円は今週159円台を中心に推移しました。週間レンジは158.27〜159.86円。植田日銀総裁が4月13日の信託大会挨拶で「中東情勢の行方を注視して経済・物価見通しを点検する」と慎重な姿勢を示したことで、4月利上げ観測が急後退。OISが算出する4月利上げ確率は前週末の約55%から40%以下まで低下しました。ユーロ/円は史上最高値を更新するなど、円は主要通貨に対しても軟調で円安地合いが続いています。
📌 わかりやすく言うと?
円の価値が下がり続けています。日本の中央銀行(日銀)が「もう少し様子を見てから金利を上げる」という判断になりそうなため、円を売ってドルを買う動きが続いています。1ドル=159円台という水準は、輸入物価の上昇を通じて私たちの生活にも影響します。
④ エネルギー:WTI原油が週末に10%超急落——ホルムズ海峡一部開放宣言
WTI原油は週前半、米国によるホルムズ海峡封鎖継続で1バレル96ドル前後の高値圏で推移していました。しかし4月17日(NY時間)にイランのアラグチ外相が「停戦期間中にホルムズ海峡を商業船に開放する」と宣言し、トランプ大統領も「イランが機雷を除去した」と発言したことでWTIが10%超急落し、一時84ドルを割り込みました。約50日間にわたる供給混乱の緩和期待が急速に広がっています。ただし最終合意には至っておらず、4月21日の停戦期限延長可否が次の焦点です。
📌 わかりやすく言うと?
原油の値段が急激に下がりました。中東の紛争でエネルギーの供給ルートが塞がれていましたが、交渉が進んで再び通れるようになりそうという期待から、「原油が足りない」という心配が一気に薄れたためです。ガソリン価格への影響も今後注目されます。
⑤ 中央銀行政策:日銀は4月利上げ見送りへ、FRBは利下げ回数縮小の可能性
日銀は4月27〜28日の金融政策決定会合を控え、植田総裁の慎重な発言から4月利上げの可能性は大幅に後退。専門家は次回利上げを7月以降と予想しています。米国ではG20に出席したFRB理事(ミラン氏)が2026年の利下げ回数を3〜4回(従来4回予想)に縮小する可能性を示唆。FRBのベージュブックも「景気は緩やかなペースで拡大」と報告し、不確実性を明記しました。ECBは4月17日に政策金利を据え置き、中東情勢の影響を注視する姿勢を示しました。
📌 わかりやすく言うと?
日本の中央銀行は「もう少し待ってから金利を上げる」という判断になりそうです。米国も「金利を下げる回数を減らすかもしれない」と言い始めており、世界的に「金融政策の転換はゆっくりに」という流れが続いています。
⑥ 暗号資産:ビットコインが7.3万ドルへ回復——中東緩和とETF流入が追い風
ビットコインは今週、米・イラン地政学リスクの緩和とビットコインETFへの3.5億ドル流入を背景に7.3万ドル台まで上昇しました。2025年9月の最高値126,000ドルから約44%下落した水準からの回復基調にあります。Fear & Greed Indexは「恐怖」ゾーンの8から48まで改善し、MVRV比率1.2が「蓄積ゾーン」を示しています。ただし4月21日の停戦期限が延長されなければ原油再騰・ビットコイン下落のリスクもあり注意が必要です。
📌 わかりやすく言うと?
ビットコインの価格が少し持ち直してきました。世界情勢の不安が和らぎ、大手投資家がビットコインを少しずつ買い始めているようです。ただし中東情勢次第で再び大きく下がる可能性もあり、まだ油断はできません。
⑦ 春闘:3年連続5%超の賃上げ継続——中小企業も5%台を確保
連合が4月3日に発表した2026年春闘第3回集計では、全体の賃上げ率が5.09%(前年同時点比▲0.33pt)、300人未満の中小組合でも5.00%と3年連続5%超の高水準を維持しています。大手製造業(自動車・電機)の満額回答が中小への波及を後押ししており、中東情勢の緊迫化による先行き不透明感がある中でも賃上げの勢いは失われていません。実質賃金のプラス定着に向けた重要な下支えとなっています。
📌 わかりやすく言うと?
給料の上がり幅が今年も5%超と高い水準を維持しています。物価の上昇に負けない賃上げが3年続いており、実際に私たちの生活水準が少しずつ改善に向かっています。中小企業でも5%台を達成したことは、景気の底上げという意味でも良い傾向です。
📊 今週の主要マーケットデータ(2026年4月18日時点)
| 指標 | 数値・水準 | 前週・備考 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 58,475円(4/17終値) | 4/16に史上最高値59,518円更新 |
| NYダウ | 約49,400ドル台 | 4/17NY市場で+1.79%の大幅上昇 |
| S&P500 | 約7,120〜7,130 | 史上最高値圏推移、7,000台突破 |
| ドル/円 | 159円台半ば | 週間レンジ:158.27〜159.86円 |
| WTI原油 | 84ドル割れ(4/17夕) | ホルムズ海峡開放宣言で週末に10%超急落 |
| 長期金利(日本・10年) | 約1.5〜1.6%台 | 日銀4月利上げ観測後退で低下傾向 |
| 日銀政策金利 | 0.75% | 4月会合(4/27〜28)で据え置き濃厚 |
| FRB政策金利(FF金利) | 3.25〜3.50% | 変更なし、2026年利下げ回数縮小観測浮上 |
| ビットコイン(BTC) | 約73,000ドル台 | 中東緩和・ETF流入で回復基調 |
| 春闘賃上げ率 | 5.09%(第3回集計) | 3年連続5%超、中小も5.00%維持 |
来週の注目ポイント
- 🔍 4月21日以降:米・イラン停戦延長の可否 停戦継続なら原油さらなる下落・株高、不成立なら急騰リスク
- 🔍 4月22〜25日:国内企業の決算シーズン本格化 トヨタ・ソニーなど主要企業の決算内容で個別株が大きく動く
- 🔍 4月27〜28日:日銀金融政策決定会合 植田総裁の発言で次回利上げ時期(6月・7月)の観測が焦点に
- 🔍 引き続き:WTI原油の行方と円相場の動向 停戦の進展度合いとエネルギー価格が円相場に影響
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任のもと、必要に応じて専門家にご相談ください。掲載データは記事執筆時点のものであり、最新情報と異なる場合があります。

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